無資格と有資格

ニュースで観ましたが、被災地で医師免許を持たない人が医療行為をしていたそうです。

理由はよくわかりません。

ところで無資格と有資格という問題は、私がいる業界にも昔からある問題です。今日のニュースで思い出してしまいました。

この業界には、私や代表のように国家資格を持って活動している人間と、そうではない各団体・スクールが認めるいわゆる民間資格で活動している人間が存在します。

ここで何が問題なのかというと、いわゆる“マッサージ”です。

最近では、民間資格の整体師やセラピストが簡単に“マッサージ”という言葉を使います。しかし、厳密に言うと仕事としてマッサージをするという行為は国家資格を持った正式名称でいうと“按摩マッサージ指圧師”にしかできないことです。

もっと言えば、“揉む”という行為も、按摩の中の“揉捏(じゅうねつ)”という技術の事を指すわけであって、厳密にはそれを行うには按摩マッサージ指圧の専門学校に通い、3年間修学・卒業し、国家試験を経ないといけないという事が言えます。でも実際に揉んでいても、これは揉んでいるわけじゃないよ、と言われてしまえばそれまですが。

こういった誰がみてもマッサージ、揉み療治を国家資格を持たない人間が堂々とやっているという問題です。同じ事をやっていても、○○整体であるとか、“ほぐし”という言葉を使います。

昔よく聴いた話では、国家資格者側から見れば、こうした無資格者が言葉を変えて同様の行為をしている事が許せない、言う人によっては違法であるというスタンス。民間資格者から見れば、考え方が違うし、違うやり方でやっているのだから問題ないというスタンス。

なかなか難しい問題ですが、今では昔ほどキリキリ言う人も少なくなっているような印象です。というよりもキリキリ言う人とコミュニケーションをとっていないというのが本当のところです。

そういえば代表の友人の整体師は、揉むとか押すといういわゆるほぐし的なマッサージ的な事は一切しないそうです。その理由はマッサージ師ではなく整体師だから。マッサージ師をリスペクトし、自分の整体にはこだわりを持つというスタンスなのでしょう。個人的にはエレガントだと思います。

そんなこんなを考えてしまった今日。

そして明日もキレのある治療をしようと思いました。

森田愛子