“気付き”の“きっかけ”と“環境設定”~所作法~

 森田敦史です。

 “気付きを得る”という事は健康というテーマからシンプルに考えると、自分自身の身体の癖や思考の癖に気付き、それをきっかけに心身の変革をはかるものと解釈しています。もっと言えば、他から得る気付きと、自分から得る気付きがあると考えています。イメージですが、新しい視点や発想の転換・アイデアなどを気付きを得る場合は、自分自身にとって異質にあたる“他者”と接することによって得られやすく、また自分自身の思考の癖や身体の癖など自己にまつわる気付きを得る場合は、自分での作業も必要となると考えます。もちろん前者・後者ははっきりと分けるというよりも、相互作用しているものだとも考えています。

 自己の関わる“気付き”を考えると、人間は無意識下で多くの癖を持っています。姿勢の癖・動きの癖・思考の癖・行動の癖、それらの癖は無意識下で修得してきた場合が多く、だからこそ気付きにくい、変えにくいということも言えるかと思います。

 ○○だと思った。

 ○●しなければならない。

 ●●なもんだろう。

 言葉にすれば簡単ですが、そんな感覚がそれぞれの心身の奥深くにあります。つまり、そんな感覚が常在感覚として心身の動きや、ひいてはその動きの結果である表現体(姿勢など)に顕れます。つまり、自分でも気づいていない“当たり前”という存在です。これが自分自身を後押しすることもあれば、邪魔することもある。どちらにおいても、それは自分自身がなせる業と私は考えるようにしています。

 時として、その常在感覚から出る結果がその人にとっては“不都合な現実”である場合もあります。健康というテーマで言えば、痛みや不調がそれに当たります。自分自身の心身に多少なりとも不都合を感じており根本的に改善したいと思う、またもっと進化・成長を続けていきたい場合は、そんな常在感覚としてインプットされている心身の癖を顕在化する必要があると考えています。顕在化された心身の癖をどう判断するか?その後の課題としては様々あると思いますが、動きを変えていくという手段を体軸法では推奨しています。

 まずは自分の癖に気付くということが一つのスタートになることは間違いないと思います。

 その気付きのスピードや回数を多くしたい場合、体軸法では所作を変える事が近道の一つであるという提案をしています。所作とは日常生活での行動の質という事で解釈しています。

 所作を変える事によって、気付きを増やす事と、気付いた心身の癖を修正する事と、そして時々の自分自身を測るバロメーター(判断基準)として役に立ちます。

 その気付きに必要な事は気付く“きっかけの数”ではないかと考えます。何かをきっかけにして気付く、という形です。

 ヨガをするというきっかけ、人と会うというきっかけ、治療を受けるというきっかけ、しかし個人的にはそれだけではスピード感が弱いと感じることがあります。そういった事を踏まえて考え、今までやっている日常生活の中にその“きっかけ”を自動的に組み入れてしまうというのが体軸法の考える所作の手法です。

 何かを日常生活の中にプラス(追加)するのではありません。既に今やっている日常生活の中に“きっかけ”をセッティング(環境設定)していくというものです。このセッティング(環境設定)をしたらあとは自動的に実行していくだけ、気付きを得たい等と常に考える必要もありません。それを実行するだけで自然と心身の癖の“気付き”の数は増えてくるものと考えています。“気付き”のない環境設定をするから何ら変わらないのであって、“気付き”の得られやすい環境設定をすれば自然と気付きは得られると考えています。

 実際に患者さんでも、こういった“きっかけ”をどれだけ日常生活にセッティング(環境設定)出来ているか?が回復の速さや進化の速さに繋がってくる事を事実として見せてくれますし、確信しています。
 
 その“きっかけ”のセッティング(環境設定)に大切なのが“基準”です。つまり、それをどう形としていくのか?

◆基準とは何か?

◆どのようなスケールで考えていくのか?

◆どのようにセッティング(環境設定)していくのか?

 こういった原理と具体的手法は来月の所作法セミナーで公開することにしています。

 先日のブログでも書いたように、ようやくこれをお伝えできるところまできました。

 日常生活の変革は最高の治療であると確信してやみません。根本的に痛みや不調の出ない身体をつくりたい方、より進化・成長したい、回復するスピードを早めたい、そんな方にはとても役に立ちます。

 とにもかくにも、この話で多少なりともピクッときた方には何か得られるのでないかと思っています。

 *調腹法・所作法ともに少人数制です。既に両セミナーともに申込や問合せがきております。もし、参加したい場合はお早目に予約をお願いいたします。