感情を伴わない身体意識

難病を克服する条件、病気を治す条件、健康的に生きる条件、その一つに感情を伴わない身体意識というものがあります。

 これは、代表的なものに「痛み」という感覚がありますが、その痛みに感情を伴わずに認識するということになります。

 痛みという感覚は、不安や恐怖などの感情が加わると増幅します。よくあることなのですが、痛みの原因を消去した場合においても痛みという感覚だけが残る場合があります。

 これは部分が正常化していても、脳が痛み感覚を保存しているために起こるものと考えております。

 ということは、痛みは物理的な要因からくる痛みと心因的な要因からくる痛みが存在することが言えます。

 多くの場合、物理的な要因だけでなく、心因的な要因が関わってきます。

 その部分を解除するには、心因的な要素を入れた治療が必要になってきます。

 説明により安心感を与えることはもちろん、心因的要素を入れた治療では、必ず治療前後の痛み感覚等を確認しながら治療を行います。

 こういった受動的な治療で、心因的な要因を解除することも可能なのですが、本人がそれを自覚していない場合、繰り返す可能性が高くなります。

 一つの解決策として、痛み・不調・違和感という感覚に、感情をセットにしない習慣を作ることが大切になってきます。

 感情をできるだけ排除することによって、痛みはかなりの部分でコントロールでき、物理的な最小限の痛みで治まり、また消失も早くなります。

 故中村天風先生の言葉に、「隣のおじさんが痛いと言っている」程度に考えると痛みは脳に認識されにくくなります。

 こと人間は自分の事になるとナーバスになりがちですが、気にしなければ痛みなどはそうそうやっかいなものではありません。

 これが心因的な要素を使った痛みのコントロールの一旦ですが、とても大切になってきます。

 こういった事を積み重ねていくと痛み・不調などが出ても簡単にコントロールできるようになります。 

 感情を伴うと事は厄介になります、厄介にしているのは体ではなく自分自身という置き換えができます。

 厄介に考えれば厄介になり、厄介に考えなければ厄介にならない、当たり前の事ですが、そんなところに気付きがありそうですね。

 情報提供:渋谷鍼灸理学治療室 体軸法 渋谷