定義付けという作業

私のような治療師&インストラクター(以下治療師)と患者さん・生徒さんとの認識のギャップをしっかり埋めること、それが大きな仕事の一つです

これは治療師にとって生命線になりますね

その為に必要なことは、“定義付け”という作業です。

最も大切な定義付けをいくつか挙げると・・・

◆治療の定義

◆“治る”の定義

◆健康の定義

といったところです。

この定義付けをしっかりとして、それを患者さん・生徒さんに伝わって、初めて同じGoalを目指して取り組めるのです。

ところが、この定義付けがしっかりされていない、または相手に十分に伝わっていないとき、これがトラブルの元となります。

例えば、私のところでは、健康とは感覚・感性が十分に機能されている状態である。未来永劫全く痛みが出ない状態が続くことではなく、人間という生ものは変化変動するものなので、時には反応として痛みや不調が出ることもある。しかし、感覚・感性が機能している方は痛んでもすぐに治まるし、もちろん痛みや不調も出にくい状態にもなる。何よりも、自分自身で自分を心身を知り、心身共に変化変動に適応しながらコントロールできることこそ健康である。

簡単に言ってしまいましたが、このような定義があります。

ところが患者さん・生徒さん側が、健康とは未来永劫全く痛みが出ないことであり、健康は治療師が作ってくれるものだ、というような認識でいると、治療師が考える健康の認識を大きなギャップが生まれてしまいます。

また、その場で痛みを取れば治療としてOKと考えている治療師と、将来的にも痛まない身体作りまでサポートして欲しい方にも大きなギャップがありますね。

このギャップを埋める作業が何よりも大切です

治療師と患者さん・生徒さんは、認識を共有してこそ、活きる治療・活きるレッスンになります

定義付けは正否ではありませんが、治療師としてやっていく上で、また患者さん・生徒さんの為にもしっかりと定めておかないとお互いの良好な関係を作るのは難しいと思います

私は治療やレッスンの際には体軸法の考え方を使って、認識を共有していますが、?マークをつける方はまずいないです。

参加する・受ける方からすると目指すものが明確でないと、ぼんやりとした感じで治療を受けることになってしまいます

物事、ぼんやりやって良い効果を出すのは難しいです

技を磨くのと同時に、これらの定義付けをどれくらいの精度で完成させることができるのか?治療師として生きていく上で、患者さん・生徒さんが迷いなく参加できるようにするためにも必須な事だと思います

情報提供:体軸法 渋谷鍼灸理学治療室 森田愛子