フォークを持つ右手、変な左手

体軸法では手指に関して、色々とこうるさい事を言います。今では当たり前の考え方となっているのですが、それができた初めのきっかけはレストランでの食事でした。

かなり昔の話ですが、とあるレストランで食事中、向かい合っている人がパスタをフォークのみ(右手を使って)で食べていました。いっけん何の違和感もない風景、誰もがスルーしてしまうこの風景・・・

ところが、代表が面白いところに注意が向きます。パスタを右手でフォークを使い食べている時の、その人の左手・・・

パー全開・・・

おや?なぜこの人は左手がパー全開なのだろうか?左で軸を取っているというのもあるが、周りを観てもそれをしていない人もいる・・・

さらに、気になった代表は、その人の足を観た。

両足で地面を掴むようにしている・・・

パスタ食うのに、何で必要ないところまで力入れてんだ、なぜこの人は身体を硬直させた状態で、パスタを食べているのだろうか?

そんなにうまいのか?

いったん、これが気になってしまうと、徹底的に全ての人が観察対象となります。道を歩く人、パソコンを打つ人、お店のレジの人、もちろん患者さんも・・・

そうなってしまう人となっていない人の健康状態や動きの質の違いなどを観察したそうです。

そして、この手指の力みを、人間の進化の代償や人間であるが故の宿命、というところと結びつけ、体軸法ならではユニークな視点からの“体幹”という考え方ができたわけです

私はこの考えを代表と共有したときは、非常に目からウロコでした

このように、人間の身体を観るというのは、何も整体等の専門的な観方だけではありません。対象となる人の食事の時の動きだけを観ても、相当に身体状態・精神状態や、その意味がよくわかります。

人間はその動きによって無限の情報を私達に表現しています。私達は表現している事と、その意味を捉える眼を鍛えることが大切。だから、人間丸ごと観察対象になるわけです。

そんなところを体軸法に触れている方達と共有し、進化させたいというのが私の希望です。一人二人の力では微力です、レッスンや治療、勉強会・塾に参加されている方達がその人なりの視点で、新たな解釈を見つけ、逆にそれを私達に教えてくれるようになることが理想ですね。

何か自分なりの気付きがあったらいつでも教えてくださいね

~以下は体軸法講習会受講者への業務連絡~

体軸法講習会受講者なら、その意味がわかるはずです。観察してみると面白いです、食事中の人の反対側の手指や足(特に指)、今回の話のような状態の人はかなりの確率で骨盤後方スライドが出来ません。不調を抱えている確率は高いと思います。手指の事をそっと教えてあげて、骨盤方向スライドを覚えさせてあげるだけでグンと身体は変わりますよ
情報提供:体軸法 渋谷鍼灸理学治療室 森田愛子