「動きの癖」と「力み」、そして感情

 私が身体を考えるとき、最も重視することは
「動きの癖」と「力み」、それに伴う「感情」という事になります。

 これは昔から漠然と感じていた事なのですが、人間の「動き」と「感情」は常に相互に影響し合っているのではないか?

 ということは「感情」が変われば、「動き」が変わる。「動き」が変われば「感情」も変わる、という事です。

 これは現在では、まず間違いないと確信しているところです。

 例えば、イライラしているとき、多くの方は肩や腕に「力み」が発生します。これは肩や腕の「力み」、つまり筋肉の動きに、イライラという「感情」が伴っているという事です。

 また、難しいことを考えると眉間にしわを寄せる、これも顔の筋肉の「動き」に、難しいという「感情」が伴います。

 このように人間の多種多様な「動き」には「感情」がセットになっているということです。

 これが無意識下で習慣化されると、今度はその「感情」が起こっていなくても、その「感情」が起きたときの「動作」が日常で出てきます。

 これが動きの癖ですね。

 感情で動作が引き起こされ、動作が感情を引き起こす。という考えを基にすると、何気ない「動作」から、その「動作」にセットされている「感情」が出てくることもありえます。

 わかりやすく言うと、

パターン1
 イライラすると眉間にしわが寄る。

パターン2
 イライラしていなくても、眉間にしわを寄せるとイライラするようになる。

 ということです。

 どうですか?思い当たるふしはありませんか?

 ここで問題になってくるのが、その「動作」にどんな「感情」がセットされているのか?という事です。

 ネガティブな感情なのか?ポジティブな感情なのか?それとも無感情という感情か?

 その「動き」にはどんな感情がセットされているのでしょう?

 体軸法では「動き」にセットされた「感情」がリセットできるよう・リセットできるきっかけを与えられるように設定してあります。

 観察してみれください。

 いつも急いでいる人の動きと感情。
 いつもゆったりとしている人の動きと感情。
 すぐ起こる人の動きと感情。
 いつも笑っている人の動きと感情。

 そんな事を観察しつづけていると、その人の動きをみるだけで、性格の特性や思考パターンも読むことができるようになります。

 その人の価値観は過去の体験の積み重ねに基いて出来ています。過去の体験の積み重ねは「感情」を伴った「動き」の積み重ねでもあります。

 ちなみに姿勢という形は、生まれ持ってある骨格の上に、「動き」の積み重ねで完成されます。

 そうなると「姿勢」は動きの積み重ね、動きには感情が伴っている。姿勢という一つの形には、感情が関わっている・・・姿勢と動きには、その人の生い立ちからの無限の情報(感情)が隠されているという事が言えます。

 その人の姿勢は、その人の価値観そのもの、つまりあなたの姿勢や動きはあなたそのものという事になります。

 姿勢や動きで、その人の価値観や性格がわかるという事は何にも特別な事ではないという証です。

 情報提供:渋谷鍼灸理学治療室 体軸法 渋谷