質問の裏にある主体性

 「いろいろ聞いてくださいね」
 よく私が患者さんに言うことです。

 つまり、質問してください。ということです。

 私の治療スタイルは、基本となるところ以外あまり多くをお教えしません、というのは、全部教えても実践する人は少ない、そして言われたからやる。という気持ちになってしまうからです。

 あくまでご自身で考え、学び、そうすると必ず疑問・質問が出てくるものです。質問が出ないということはそれだけ「考えていない」「主体的に実践していない」ということです。

 難病に限らず、自分の身体を改善したい場合は、何よりも主体性が命です。なぜならば、私の身体、私の人生ではないからです。

 自らの身体を、自らの人生を歩むのは、当然その人自身です。

 私は以前、かなり詳細に色々とお教えしてきました、それがよいと思っていたからです。

 しかし、私の話し方にも問題があったとは思いますが、多くの方は実践しませんし、言われたからやる、というスタンスでやっていました。

 それでは治るものも治りません。

 それ以来、基本的なところはお伝えしますが、それ以上は聞かれない限りは答えないようにしています。

 自分で考え、自分で疑問を感じ、そして聞く、聞いたうえでまた判断する。という作業を繰り返さないとどうしても主体性が失われてしまうのです。

 改善していく方は、ほぼ例外なく、質問が多いですね。それはしっかりと実践しようとしている、だからこそ、その過程で質問が出てくるのです。

 だまって治療だけを受けて帰るには、もったいないですが、私から何でもお教えすることは致しません。

 そういったスタンスにしている現在では、主体性を持ってやってくれる患者さんは確実に増殖しています。

 自分の身体なのですから自分で責任を取ることが大切、わからなければ聞く、それが治療の基本です。

 ちなみに最も主体性のない言葉は「先生に全てお任せ」です。
 あなたはどう思いますか?

 健康は待っていても訪れません、自らが自らの意思で掴みとるものです。

 情報提供:渋谷鍼灸理学治療室 体軸法 渋谷