笑顔の絶えない介護

 森田敦史です。

 最近、よく親の介護問題の相談を受けます。

 お世話をする側とされる側。

 する側の想いが強ければ強いほどに、まじめであればあるほどに大変です。

 何でも自分がやってあげないといけない、自分が手を抜くと罪悪感にさいなまれる。

 そんなケースの相談がよくあります。

 お世話をする側の理屈、される側の理屈、そしてお世話をする側でも、息子・娘・嫁・孫、介護関係者などその立場によって違う理屈があります。

 何が正しいということではありませんが、その立場の人間にしかできない事があります。

 よほど困窮している場合を抜きにして一人で背負ってしまうタイプに方に、いつも言うのは「あなたにしかできないことがある」という事と、「誰かが出来る事をあなたが背負うことによって、あなたにしかできない事が出来なくなってしまう事は何よりも介護される人間にとってプラスにはならない」ということです。

 介護にまつわる人間には、それぞれに役割があり、その役割をお互いに認識することが最も大切であり、最も難しいところであるかもしれません。

 難しくても、そういった事がある程度出来ていると、大変な中でも、なぜか笑顔の絶えない介護になります。

 私が出来る事と言えば、ターニングポイントにきた介護する人に、そっと話を聴き、話すことです。場合によっては、その全体状況を観て、誰が何の役割を持っていて、どこに不都合となる原因があるのか?というところまで求められれば、お話しています。また、骨が折れますが介護する家族間の関係を取り持つこともたまにします。

 私も祖母の介護(介護保険成立前)を目の当たりにして育っている経験から、介護はきれいごとではないという事はわかっていますが、それでもそう思います。

 果たして自分の親に介護が必要になった時、自分の役割は何なのだろうか?

 どのような役割が求められるのだろうか?

 それはその時になったら考える事とします。