求めの質

「明日、とりあえず●●円あれば乗り切れるんだ」

「とりあえず、今のこの痛みをどうにかして欲しい」

今、明日を必至で乗り切る事を考えている人に、長期的な事を言っても伝わらない事が多いというのが世の中の常です。

今日、明日をとりあえず乗り切る事しか考えていない人の、未来に対してのリスクは高いのか?低いのか?

可能性として低いと考える方が自然です。

この視点で観ると、治療を受ける立場に立つと2通りの考え方あります。

  1. 「長期的な事を言っていても、今がつらいんだから、まずはどうにかしてくれ」
  2. 「結局、今の身体は過去の積み重ねであるから、しっかり自分自身の身体について考え直さなければならない」

1のタイプが治療家に求める事は、痛みやトラブルの解決人、困った時にどうにかしてくれる存在。

2のタイプが治療家に求める事は、痛みや不調が起きないように自分自身が成長できるサポート体制があるかどうか。一つの道標を提示してくれる存在。

私達の仕事が最も評価されやすいのは1ですね。何と言っても、未来のリスクを減らす仕事よりも、今の危機をどうにかしてくれる人の方がありがたいということです。

だからと言って1に特化するのは危険だと個人的には思います。

求められるものに応えるのが仕事と言ってしまえばそれまでですが、本当にそれでよいのか?と考えることもあります。ということを考えること自体が、その“求め”の質が健全であるかどうか?疑問を持っている証拠でもあります。

これ以上、文字として表現すると誤解を招きそうですので、後は読む方のイマジネーションにお任せいたします。ありがとうございました。

森田敦史