楽になるから姿勢は良くなる

今日は姿勢について久しぶりにお話します。

楽な姿勢が身体に過剰な負担を掛けない姿勢、つまり良い姿勢であれば問題ありません。

ところが、良い姿勢でもそれが楽でなければ、やればやるほどに辛くなり、緊張するだけですのでアウトです。

あくまで姿勢は動きの結果のようなものなので、動きを修正した結果として良い姿勢になるよう、身体を導かなければなりません。

無理に「これが良い姿勢ですよ」と修正するのは問題です。

身体中の筋肉を緊張させて、いわゆる良い姿勢で硬直化している方も多いですね。これでは症状のある方などは悪化する危険性が増大します。

スッと無駄な力が抜けて、楽に立てている状態が良い姿勢であればOKです。

しかし、もう一つの視点から観ると、いっけん良い姿勢でも、それはある事をするとすぐにわかります。

それは動くということ。

周りの人が「いつも良い姿勢だね」と言われていても、例えば体軸法動法である骨盤後方スライドなどをやらせると一目瞭然です。

形でごまかせても動きはごまかせません。

良い姿勢というのは、静止しているときも、動くときも無駄に筋肉を使わずに負担なく楽である必要があります。

私は、姿勢を良くしようと思って治療はしませんが、姿勢は結果的にその人の自然なあるべきところに落ち着くものです。

動きを修正すれば、大体姿勢も落ち着きます。

体軸法には、ベーシックパターンという治療の際に必ず行う手法があります。椅子に座って、もしくは立位でやることもあります。

4~5種類の動きを淡々と8~10分ほど繰り返し、動きの修正をかけていくと、自然と楽な姿勢=良い姿勢になります。これが動きを変えると身も変わるということです。

姿勢調整は無理にするものではありません、動きを調整した結果として自然に定まっていくものです。

姿勢を治すから楽になるという視点よりも、楽になるから姿勢が良くなる、という視点を大切にしています。

 

森田愛子