待つことで、何かが変わる・・・~難病治療~

 「こ・・ん・に・・ち・・・は」

 神経の進行性の難病の患者さんの言葉。

 難病を宣告され、数か月で寝たきり・人口呼吸宣告され、生きる希望を無くした患者さん。自分からは、まったく言葉も出さない、生きるしかばねとは正にこのことであり、主体性はゼロ。

 様々な方向からアプローチすること2年、相当にやりあってきましたが、やっと自分から出た「こんにちは」という一言。この一言の意義が大きい。大きな一歩であることは間違いない。

 残念ながら回復への一歩ではない。

 それは本人が一番良くわかっている。

 どう死ぬのか?どう終わるのか?

 こればかりは私に決めることはできない。

 どのように終わるかを選択するのは本人。

 そんな中で出た「こんにちは」という一言。この一言は何を意味するのだろうか?それは今はわからない。しかし、本人の意思から出た言葉、主体的に出た言葉だと信じたい。

 その一言を言うのにどれくらいの葛藤があり、どれほどの勇気がいったか?

 思いっきり褒めました。こんにちは、が出れば、ありがとう、も近い・・・

 可能性はゼロに近くても、待ち続けることで人は変わることもある。

 人は変われる。

 情報提供:体軸法 渋谷鍼灸理学治療室 森田敦史