治療院は何を提供する場なのか?
治療技術を提供するということは、いわば当たり前のことです。
でも、それだけではありません。
場・空間を提供すること。
もっと言えば、治療スタイルとマッチする場・空間を提供することです。
今の治療院は、元々は私がお世話になっていた方がプライベートサロンを開いていた場所です。
その方が使っていない日に、その場所を使わせていただくということからスタートし、ある時から完全に引き継いだというのが元々の始まりです。サロンですので、当然治療院的雰囲気は0です。
そもそも私のスタイルはコテコテの治療院は向いていません。
コテコテの治療院とは、いわゆる病院のような感じです。
治療スタイル自体がコテコテ系ですから、治療院の空間までそうなったら変な緊張感が出てしまいます(笑)。やはり無用な緊張感を無くし、安心して治療に来れる、集中できる空間でありたいと考えています。
そのため、マンションの一室、家みたいだけれども家ではない落ち着く環境という今の空間は自分のスタイルと合っていると感じています。
賞状や認定証・資格証をドンと張り出さないのもそういう訳です。
医学書もあえて表には出しません。
華に関しては落ち着く環境の中でも、治療と同じようにくっきりはっきりと、というような明確なイメージを込めて活けています。
ホッと出来る空間というのも、都会である渋谷だからこそと思っています。
そもそもがホッと出来るスローライフの地域でホッと出来る空間と創るのと、都内で創るのでは意味が全く違います。
自分の治療スタイルと治療院のある地域をよく考えて、そのうえで空間設定しました。
マッチするというのは個人的には同質同士のマッチではなく、異質な要素同士のマッチだと考えると、それで陰陽が成立するような気がしますし、陰陽が成立するということは、そこは調和された空間になるような気もします。
結果的に落ち着いて治療に来てもらえれば嬉しいのです。
森田愛子