パーキンソン病の治療 by森田敦史

 パーキンソン病は回復可能です。進行していくだけ・・・というようにあきらめる必要は全くありません。

 もちろん個々の状態や背景は異なりますが、基本的に回復可能です。パーキンソン病でも元気に生活を送ることは不可能ではありません。

 ここで大きな問題になってくるのは、パーキンソン病と一言で言っても、その症状が全てパーキンソン病によるものだとは限らないのです。

 パーキンソン病には、真正症状と仮性症状があると私は考えております。

 真性症状とは、パーキンソン病からくる症状。
 仮性症状とは、真性症状と同じ症状ですが、原因がパーキンソン病以外の要素からくるもの、つまりパーキンソン病以外の要素が真性症状に上乗せすることを指します。いっけんパーキンソン病の進行と勘違いしやすいのです。

 実際に患者さんを治療していると、そのほとんどにおいて、症状における割合が真性100%ということはなく、仮性症状、つまりパーキンソン病以外の要素からくる症状であると感じています。

 ですので、パーキンソン病の症状は、単にその症状だけをみていると大きく判断を誤ることになります。

 仮性症状とは、言い換えれば真性症状を憎悪させる要素ということになります。これには、心因性(一種の強迫観念)、構造的問題などがあります。

 大切なのは、真性と仮性の割合を的確に把握することにあります。

 症状が強くても、真性症状が5割だとすると、仮性症状も5割ですので、仮性症状の要素を解決できれば、症状は半減すると考えています。

 仮性症状の要素は、パーキンソン病そのものとは違う要素ですので、当然改善が可能なわけです。

 問題なのは、仮性症状の要素によって症状が強くなっているだけであるのに、パーキンソン病が進行していると思いこんでしまうことです。これ自体、一種の強迫観念になってしまい、さらに症状を憎悪させます。

 個人によって度合もありますが100%真性の症状などありません、必ず仮性の改善可能な要素がありますので、その意味ではパーキンソン病の症状改善は可能なのです。

 特に日によって変化変動が大きいタイプは、その変動幅は仮性症状の要素が大きく関係してきます。仮性症状の要素の影響力が症状の波を引き起こす一つの原因であることは間違いありません。

 私に治療は、真性と仮性に対するアプローチの2パターンで治療にあたります。

 本質的なアプローチとしては、私はパーキンソン病は脳の変性が問題なのではなく、脳の変性が起きてしまうような体質が問題だと考えていますので、食事療法や家庭療法を基本として、全てご自宅で出来る方法を提案しています。

 仮性症状の要素に関しては、その要素に合ったE-motion(体操法の一種)をお教えすることにしています。これも自分で出来るものです。

 そのうえで、初めて鍼灸などの治療が存在すると考えています。

 ですので治療は一つ、自分の身体の勉強に来るという意識を持ってもらうようにしています。

 まずは仮性症状の要素にアプローチすること、そして本質的なアプローチも同時平行して取り組む、これが主体的な治療ということになります。

 まずは、辛いときは辛いけど、元気になることですね。

 情報提供:渋谷鍼灸理学治療室 体軸法 渋谷 森田敦史