ご存じのように身体の歪みは、その人の日常の動きの積み重ねの結果、つまり表現体ということになります。
今日のテーマは、体操法において日常生活での動きを修正できるのか?ある程度はYes、根本的にはNoという結論が今のところです。
というのはそもそも体操法の動きと日常生活の動きは全くといってよいほど動きの質が違います。
本来対象となっているのは日常生活での動きの癖なのですが体操法は日常生あ活動作ではありません。
それは動くときの意識状態が関係しています。日常動作で体操をしているときのように動かしていますか?ということです。
つまり体操時の動きは「動こう」というある程度強い意識下のもとで行います、その一方で日常の動きを強い意識下で行うことは現実的に無理があります。
だから強い意識下の体操では相当の時間を費やさない限り、日常生活まではなかなか変わらないのです。
日常生活での動きは「何気ない」動きなのです。
体操法での動きは、何気なくない動きとなります。
何気なくない動きは、その方の身体のコリや歪みを調整する効果はありますが、何気ない動きではありませんので、それが日常生活の動きの癖をリセットするところまでは至りません。
日常生活での何気ない動きを修正するためには、何気なく動くなかで修正する必要があります。
本来、身体の歪みを修正する動きと、日常生活での動きを修正する動きは同時に行うには限界があります。
ある程度は可能なのですが・・・
体操法をしても根本的に変われない方はこれに該当するかもしれません。
それではどうしたらよいのか?
物事には段階というものがあります。
- まずは型の通りに体操法を実践してみる。
- 自分の身体に意識を向けることを身につける。
- 何気ない動きを修正するワークをやってみる。
- 日常生活に落とし込んでみる。
こんなところでしょうか?
しかしこれは段階といいましたがほとんどが同時平行的に進む場合が多く、ようはその比率をどうするのか?というところでしょうか。
あるところまでは、身体の痛みや不調、歪みやコリなどを解消するためのワークが必要です。あるところまでいくと、それ以上の根本的な変化を望む場合は、何気ない動きの癖を何気ない動きで修正する必要があります。
このことに気づいたのは、ワークをしているときに、どうも日常生活に落とし込むことが困難な方が多いという事実からです。
私自身、体操法に対しての疑問の根本がこの部分だったのです。
どうも体操をしても、それが日常動作に波及することが少ないということを感じ、ずっと疑問に思っていたのです。
日常動作を修正するには、日常動作時に近い条件下のもとでワークをする必要があるということです。
経験上、いきなり日常動作の修正は難しいですね。まずは型から入り、ある程度やってからのほうが自然といくような気がします。
情報提供:渋谷鍼灸理学治療室 体軸法 渋谷