私が担当する脳血管障害の後遺症(片麻痺)の場合、基本的に発症後3~6年経過したケースがほとんどです。
脳血管障害は、脳梗塞後遺症や脳出血後遺症による片麻痺という事にします。
正直なところ、片麻痺は早期治療が命ですので、3~6年経過すると回復スピードは遅くなります。
しかしながら、何年経過しても片麻痺を飛躍的に回復させることは十分に可能であります。
発症後2年が経過した状況で、麻痺側の腕がピクリとも動かないある患者さん。医療機関からは、もう回復は見込めないと言われたそうです。
治療を担当して、3年後には健常者と一緒に遅れることなく両手でゴルフをしています。
このような事は珍しい事ではありません。片麻痺になって5~6年経過して一見、状態が固定したように見えても、ます例外なく身体機能は回復します。
但し、ここで問題なのは、先日お話した環境です。ご本人の意識・ご家族の協力環境などです。
片麻痺の中でも重度障害の場合は、特に回復にはご家族の協力が絶対条件となってきます。
その辺の環境をクリアできれば、まず間違いなく回復いたします。
また、片麻痺の機能回復に必要な要素として、ご本人の体への身体意識の向上及び再教育も必須となります。
これは、回復した状態を持続させ、さらに回復していくにはご本人の身体意識が必要だからであります。
続けていないと機能が落ちるのは、病気のせいだけではなく、体への身体意識の向上・教育を伴った治療をしていないという要素が大きい可能性があります。
私の行う治療では、身体意識を徹底的に教育しますので、治療をやめてもすぐに落ちるような事はありません。
そういった意味では、高次脳機能障害や認知症を伴う場合の回復はちょっと難しくなるということです。
常々、意識さえ死ななければ大丈夫、という言葉を使います。
年齢・体の老化・状態の固着があるから回復できないのではなく、年齢・体の老化と一緒に意識の老化が起こっているから回復が難しいのです。
脳梗塞後遺症・脳出血後遺症等の片麻痺は意識さえ死んでいなければ大丈夫なのです。
情報提供:渋谷鍼灸理学治療室 体軸法 渋谷