ヨガ教室をやっていると、よく聴かれることがあります。
それは「体が硬くても大丈夫ですか?」ということです。
私は、大丈夫です。とお答えしますが、体が硬いのが心配だということは、柔軟性がないということが心配だと言っているのと同じです。
今回、お伝えするのは、体の不調から、不調体質から解放するには、柔軟性がないとダメなのか?ということです。
答えはNOです。
柔軟性がなくても不調体質を変えることはできます。
柔軟にならなくても不調体質を変えることはできます。
体の不調と柔軟性は関係があるようでありません。
これは事実です。
私はヨガだけではなく、治療家として多くの方達の体を治療してきました。その経験上、痛みや不調体質を改善するには柔軟性は必ず必要なものではないことを知っています。
私自身、腰椎骨折・足関節の骨折という経験をして、その部分は人よりも柔軟性はありませんが、不調はありません。
公私共のパートナーも両方の股関節の骨折経験等もあり、柔軟性はありません。でも不調はありません。
師の一人も柔軟性のかけらもありません。昔からのようですが、それでも肩凝り・腰痛等はないそうです。
逆に言えば、ヨガの先生の中でも体の柔軟性は高くても、不調体質の方は意外といます。なぜわかるかと言えば、そういう相談を直接受けることが多いからです。
柔軟性には必要最低限の柔軟性さえあれば、後は好きな人や何かで必要な人が追求していけばいいだけの話です。
ということもあって、私のヨガ教室ではアクロバティックなアサナ(ポーズ)はほとんどしません。
基本型の繰り返しです。
その中で、ポジションの取り方(バランスのつくり方)、動き方、意識のつくり方などを重視していきます。
つまり、柔軟性へのフォーカスではなく、バランス、動き方、意識の方が大切です。例え、柔軟性があってもこれらが未熟だと不調になることがあります。
柔軟性があるといっけん美しくみえますが、柔軟性はヨガの成熟度を示すものではなく、成熟度の一つの要素に過ぎないのです。
ヨガの成熟度とは、どれだけその人の身体の個性、その時の状態に柔軟に適応できるかどうかみた方が正確です。
その人の体と個性に合ったバランス、動き、意識をレッスンを通して自分でつくっていけるようにフォローするのが私のヨガスタイルです。
ですので無理はさせません。無理をする意味もありません。
高度な柔軟性を求められるアサナ(ポーズ)や肉体的な実感や追求が好みの方には不向きで、不調体質を改善したい、自分自身でバランス・動き・意識をつくっていきたい方には支持されています。
不調体質を改善したい場合、身体の柔軟性だけにフォーカスするのは止めた方が良いと思います。バランスや動き方や意識を柔軟にすることが大切です。