呼吸の考察

 呼吸は難しい。

 森田敦史です。

 私の尊敬するインド哲学を数十年、研究されている先生が、

 「いまだに呼吸って何だかわからないんですよ」

 この言葉は重い。私も本当のところはわからない・・・そのうえで、あえて呼吸について話そうかと思います。ちなみに哲学的な話ではありません。

◆呼吸と呼吸法は違う。
 呼吸法が出来ても、呼吸ができている方は非常に少ない。最大呼吸量が大きいからと言って健康とは限らない。どういった観点でそういっているのか?

◆呼吸は止まることない生命の流れである。
 であるならば、1日を通して、一瞬たりとも呼吸が止まらない状態で居る必要性があると考える。

◆呼吸が止まるとは“いきむ”ことに近い。
 “呼吸”を止める、つまり“いきむ”という回数が1日の中で多ければ多いほどに疲労は強くなる。

◆呼吸は、動作時こそ止まりやすい。
 呼吸は、動作時にこそ止まりやすい。つまり。呼吸が止まるような、いきむような動きをしているということ。

◆呼吸と動き方は連鎖している。
 呼吸の流れを維持するには、それなりの動き方が求められる。それが体軸法の定める動く際のルール、つまり動き方である。

◆いきむ⇒頚と腹部の緊張
 いきむと、いきむような動き方の場合、頚と腹部を緊張させることになる。頚と腹部の過剰緊張は万病の元。

◆呼吸を止めない訓練
 色々と動く中で、呼吸を止めないという事を心身にインプットするというのが呼吸という観点からみたレッスンの意味。呼吸法をして最大呼吸量を大きくしても、動作時に呼吸が止まるという習性が治らないと意味がないと考える。

◆動く際の呼吸状態~静止的呼気~
 止まっているようで、止まっていない。止まっているがいきんでいないというイメージ。微妙に吐く方向性を持っているような呼吸状態。

◆健康という観点から動き方を学ぶということは?
 もしかしたら呼吸を止めない、生命の流れの止めないためかもしれない。

 すべては呼吸につながるのか・・・?

 情報提供:体軸法 渋谷鍼灸理学治療室 森田敦史