“勉強する”ということを勘違いしている人が多い。
“勉強する”とは1から10まで全部教えてもらうことではありません。本当の意味での勉強とは、ヒントや材料をもらい、盗み、質問し、自分なりに考え、そして自分のスタイルを作り上げていく作業に他なりません。
◆ヒントや材料
答えというのは自分自身で作るもの。私も代表も、1から10まで教わった事などありません。偉大な先人や先輩にヒントや材料をいただきながら、自分のスタイルを作ってきています。
なぜ自分のスタイルを作らなければならないのか?それは100%の確信を持って初めて人に伝わるから、他人から言われた事をうのみにして100%の確信を持てる人は少ないから。
だから私も代表も講習会では
「体軸法だけじゃなく色々と勉強して自分のスタイルを作ってください。何も体軸法が全てではなく、自分のスタイルを作るうえで、その中に体軸法の考え方や動法が少しでも入っていれば嬉しい。」
と言っています。
特に代表は優れた指導者とは、1つの答えを示すことより、様々な方向に変換できうる材料やヒントをくれる人としています。一つの考えを押し付けられてもいつかは疑問が生じますから。
◆盗む
例えば、私は10代の頃から治療の勉強をして、色々なセミナーにも行きましたが、手取り足とり丁寧に教えてもらった記憶など一切ありません。全て見て盗んだのです。
先生の一瞬の間も見逃さないくらい、目を皿のようにして観察し、盗んだものです。また、当初、体軸法を代表からマンツーマンで教わった事など数えるほどしかありません。講習会の参加者が羨ましいくらいです。私は盗んだだけです。
◆自分なりに考える
自分なりに考え、解釈しようと試みる。それでわかることも、わからない事もあります。まずは自分で考えるという事しないとダメです。安易に聞くことばかりでは勉強になりません。
◆質問
自分で考えても、どうしてもわからない時は、カクカクシカジカでここまで考えたんですがわかりませんでした、これはどういう意味なのですか?と初めて聞く。もちろん質問してくださいなど言われません。全て自らが意思表示し、教えを請うのです。この作業をして初めて腑に落ちるのです。もちろんわかった事も再確認の為に質問します。
こういった勉強ができている方は、すぐに活かします。
例えば、私の治療にはセラピストさんも来ていますが、勉強することができる方は治療を受けるだけで、お話しているだけで、すぐに盗みます。「あ~、この人、盗んでるな~」と手にとるようにわかります。後で話を聞くと、やっぱり相当活かしていると言われます。
盗む⇒試して考える⇒それとなく質問する⇒腑に落ちる。
見事に勉強という事ができているわけです。
こういう勉強ができる人は、どこまでも成長しますし、こういった勉強ができない、またはこの考え自体が理解できない方は、いくら勉強しても単なる勉強したという事実とちょっとした観念しか残りません。
そして一つ追加する事があるといえば“意志表示”をするということです。自分が何を知りたくて何をしたいのか?何を考えているのか?これを意志表示するのは大切なことです。自ら手を挙げ、意志表示しない人間に、チャンスなど訪れるはずもありません。
私自身、15年間そのように勉強してきて今のスタイルを身につけていますので、いつも100%の確信を持って患者さん・生徒さんに接することができています。
だから、おかげさまで多くの方に信頼していただき、必要とされてきているのです。
厳しいかもしれませんが、これが当たり前の事のようにできるかどうか?大切なところです。
活かすためには、活かせるように自分自身で勉強し、自分自身の試行錯誤で活かす。全てをおぜん立てしてもらおうなどと考えないことです。
何を勉強するか?よりも、まずはどのように勉強をするか?と言った事から学ぶ必要もあるかもしれません。
最後に代表の知り合いの整体の先生は、元々とある職人で、この世界に入るときに「ちょろい世界だな」と思ったそうです。
なぜならば、材料やヒントを無限にくれる、質問に答えてくれるから。
その先生がいた職人の世界は、全て“見て盗め”の世界。誰も何も教えてくれない世界にいたからこそ、「ちょろい」という言葉が出てきたのでしょう。
私の考え方は古く、厳し過ぎますかね~・・・変えるつもりはさらさらありませんが・・・
情報提供:体軸法 渋谷鍼灸理学治療室 森田愛子