プロの条件 その(2) ~専門家向け~

以前に記事にしたプロの条件、その(1)では“徹底したあなた目線”になれるかどうか?そこから生み出し、工夫することができるかどうかというところでした。

その①と言ったからには、その(2)もありますので今日は続編です

私達の仕事が、患者さんや生徒さんに“健康”をありかたを提案し、“健康”に導くものだとしたら、あることが求められます

それは、その“健康”を自分自身が体現していること

ただ体現するのではなく、患者さん・生徒さんが将来成りたいと思っている“健康”の形で体現する必要があります

患者さん・生徒さんがどのような形での健康を最も望んでいるのでしょうか?

私個人が思うこと、そして今まで多くの方と接してきた経験から言えること。

それは「何もしなくても健康であること」ではないでしょうか?

毎日1時間のストレッチなどしなくても、ただ生活しているだけで健康体であること。それもただ我慢していたり、たまたま不調や出ない事とは違う、自分自身が把握している中で、何もしなくても健康、という世界です

はっきり言ってしまえば、いつも疲れている先生、慢性的に不調を抱えている先生には健康は説けません。また、毎日1時間のセルフケアを必要としている先生には、毎日1時間のセルフケアをした上での健康しか提案できません。

少なくとも、私達の仕事では、患者さん・生徒さんが目指すべきところに私達自身がいないと説得力がないということです

私の場合は、「何もしなくても健康」というところにいます。少なくとも、そこまでの次元であれば、そのやり方おお伝えすることができます

今、ヨガや治療でやっていることは、何もしなくても健康になるための1つのステップだと考えています

何もしなくても健康、という世界には感性と感覚が必須になってきます。感性とは事実認識力、感覚とは中心・安定・軸といった感覚のことです。

この感性と感覚が強くなればなるほどに、何もしなくても健康を維持でき、さらには日常生活を送るだけで更なる感性・感覚を進化させることができます

少なくともプロであるということは、私はプロとは技術者ではなく、技術者+体現者+伝道者であるべきだと強く思い、常に私自身も精進しています

ということは私達プロである以上は、

◆技術者としての勉強。
◆体現者としての勉強。
◆伝道者としての勉強。

が必要になってくるのです。

技術者としての勉強が一番わかりやすい世界ですね。技を磨くということです。自分の思った通りに技がかかるかどうか?この作業に終わりや完成はなく、自分が望めば永遠と続く勉強です。

体現者としての勉強も時間が掛かります。何と言っても自分自身の問題ですから、自分に慢性的な不調や痛みがあった時点でNGという厳しい世界です。割と治療家と接していると、この体現者としての勉強をしていない、もしくはできていない方が多いなと感じています。

最後に伝道者としての勉強。これは自分自身の持っている理念を相手に伝える力。これも難しいですね。いくら良い技を持っていても、体現者であっても、それを伝える力がないと何にもならないのです。物事は伝わってはじめて相手側の感情が動き、感覚が変わるからです。

私はこれら3つは掛け算だと思っています。

技術力×体現力×伝道力=治療家としての力。

これら3つは一つひとつをとってみても、非常に時間と労力が掛かります。時として犠牲にしなければならないこともあります。それだけの時間と労力を掛けて築いたからこそ、それがその人にしかできない“価値”になると思います。

次回は、いつになるかはわかりませんが治療構築について話そうかと思います。治療構築とは、伝道力のことです

情報提供:体軸法 渋谷鍼灸理学治療室 森田愛子