森田敦史です。
“情をもって患者さんを理解し、智をもって考え、意を決して治療に臨む。”
好きな言葉です。自分で勝手に考えたのですが(苦笑)あくまでイメージです。
健康になるために必要なこと、その状態が難しければ難しいほどに激しい執念と意地が必要です。
私が観ている患者さんに限ると奇跡的な回復を遂げた患者さんの特徴は、激しい執念と意地があります。
「ありがとう」より「このやろう」のほうがエネルギーになるような気が・・・というよりも回復率が高いですね。
あなたの「このやろう」を湧き立たせるために、私は“挑発”します、というよりも後から患者さんに聴くと無意識的に挑発しているようです。
どんなに熱意と情熱をもってきても「このやろう精神」の薄い人、これは長続きしません。
あまりうまくまとまってしまう、物分りが良すぎるというのはどうでしょう?と思う訳です。
というわけで、非常識な回復を望む障害を持たれた患者さんと接するときに、あえてやる気を削ぐような発言をすることがあります。ちょっと言われたくらいでやる気を失うくらいなら、最初からやらない方が良いということで・・・
それだけ非常識な回復には覚悟がいり、引き受ける以上は覚悟を持った人だけにしたいという想いがあります。
こんな治療スタイルですから、患者さんの8割は続きません(苦笑)というよりもこの部分を妥協して治療してもよい方向にはいかないと経験的に理解しているという理由が大きいかもしれません、時間とお金の無駄になります。
極めて狭いスタンスですが、私はそれでいいと思っています。覚悟を決めた2割の患者さんに全力を尽くせばよいとある意味で割り切っていますから。
ちなみに、これは非常識な回復を希望する場合の話です。治療全般にわたる基本スタンスとしては、患者さんが持つ希望に応じます。その希望に応じて私が出来ること・あなたがやるべき事を提示し、現実的に実行可能なラインを見つけ出す作業をしています。
つまりは何も努力したくないけれど非常識な回復をしたい、という旨い話はないということです。