意外に伝えられていない腰痛のケアポイントの基本

 腰痛にお悩みの方は非常に多いと思います。

 

 腰痛と一言で言っても色々あります。

 

 病院で検査をしても異常が出ない慢性腰痛、椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・腰椎すべり症などの何等かの異常が認められる腰痛。さらにはギックリ腰と言われる急性の腰痛や内臓からくる腰痛もあります。

 

 特別の病気を除けば、腰痛には基本のケアポイントがあります。当院では当たり前だと思っていることなのですが、今日はそのケアポイントを共有したいと思います。

 

 まず、腰痛の原因は腰にはない事が、というよりも腰以外にも原因がある場合がほとんどです。腰は痛みが出ている場所であるだけです。

 

 誰もが腰が痛ければ腰が悪いを考えがちですが、腰だけをケアしても腰痛が治ることは特に慢性的に痛い場合は難しいのが現状です。

 

 ですので、腰が痛いから腰を揉んでもらう、腰に電気を当てる、腰に湿布を張る、腰を引っ張る、というのは、その場だけの何となくの効果にしかならないのが現状です。

 

 また、姿勢が原因だから姿勢を正せばいい、というのも実はあまり効果的だとは思っていません。無理やり姿勢を正しても無理している分、身体への負担が大きいからです。

 

 さらには、腹筋をつければいいというのも時によっては効果がありますが、当然効果が出ないケースも多々あります。

 

 もっと言えば、インナーマッスルを鍛えればいいという考え方、これは相当に共感できる部分が多いのですが、実はこれも効果が出る場合とでない場合に分かれてしまいます。

 

 もちろんそれらでよくなった方もいるでしょうし、それならばいいのですが、長年治療に携わっていて、それでよくなった方よりもそれでよくならなかった方も大勢います。

 

 では、腰痛をケアする時はどのようなポイントに注意すればいいのか?

 

 まず前提として筋肉をみることが大切です。骨格は筋肉によって支えられています。骨格の歪みが筋肉の緊張によって引き起こされます。これは他でもよく言われていることです。

 

 そのうえで、どこの筋肉をみればいいのでしょうか?

 

 少しだけ立体的にみる必要があります。

 

 K-Raku Styleでは主に5つの筋肉の緊張にポイントを絞っています。

 

1、ひざの裏の緊張(膝窩筋(しつかきん)という筋肉です)

 

2、脇腹の緊張(内腹斜筋・外腹斜筋という筋肉です)

 

3、いわゆる腹筋の場所(お腹の正面):腹直筋という筋肉です。

 

4、お尻:梨状筋(りじょうきん)という筋肉です。

 

5、腰のちょっと外側(腰方形筋(ようほうけいきん)という筋肉です)

 

 これらは人によって緊張していないところ、緊張しているところ、1カ所かもしれませんし、2カ所・3カ所かもしれません。

 

 いずれにしても、こういった筋肉が複合的に緊張を起こして、ある限界を超えると痛みになると考えています。

 

 これをみてお分かりの通り、5つの中で腰は最後の一つしかありません。

 

 他は全て、足・腹・お尻です。

 

 つまり、そういうところの緊張が腰に痛みを出している原因と考えると少し大きな目で腰痛をみることができます。

 

 実際のところ、椎間板ヘルニア等の病名があっても、これらの診方で治療やケアをして改善することは非常に多いです。特に腰の痛みに関しては効果は高いです。

 

 なかなか腰痛がよくならない方や結果が出ない方は、こうしたケアポイントを参考にするとよいと思います。

 

 そのケア方法ですが、ストレッチやマッサージ等色々あると思いますが、できれば信頼できる専門家の指導を仰ぐことをおすすめします。なぜならば、本や動画では「我流」になってしまう可能性があり、ポイントがずれてしまう可能性が高いからです。

 

 ちなみにK-Raku Styleでは、5つのセルフケアプログラムがありますが、その中の腹部疎通プログラムというのが、今回ご紹介した5つのケアポイントへのアプローチ方法となります。

 

 呼吸法と特殊な動きで、筋肉の緊張をとっていきますが、腰痛だけではなく、全身の循環も改善され、全身の滞りが解消されるものです。

 

 腰痛プログラムと命名しなかったのは、K-Raku Styleでは体質改善(滞り改善)の一環として位置付けているものですので、症状の改善は体質改善の中に含まれると考えているからです。

 

 このプログラムは、今まで多数の患者さん達で結果が出ており、また産婦人科医院でも助産師向けに修得セミナーも行っております。

 

 修得するには、K-Raku Style主宰の「育てなおしの会」にお越しになるか、個人指導の場合は治療枠で対応しますので、興味のある方はお越しください。

 

 ちなみにこのプログラムは、昨年の12月に女性誌の取材協力で紹介されました。どういうわけかインターネットでも公開されてしまっていますので(苦笑)、よければ見つけて参考にしてください。わかりやくイメージできると思います。血めぐり体操で検索すると出てきます。

 

~次回の予告~

 

 よく腰痛には骨盤と言われています。

 

 「骨盤を整える」というのは、これらの筋肉の緊張をしっかり改善した後に、もしくはそれと同時に行うのが効果的であり、より骨盤が整いやすくなります。

 

 次回は、その「骨盤」に関して書きます。