意外に伝えられていない「骨盤」の整え方のポイント

 よく整体院・治療院などで、「あなたの腰痛は骨盤からきている。」「その肩凝りは骨盤からきている。」ということを当たり前のように言います。

 

 だから、骨盤を直すのがいい。

 

 確かに骨盤というのは、背骨を支える土台であり、全身にも大きな影響を与える部分であることは間違いありません。

 

 ただ、この骨盤を調整する為に、前提があります。

 

 それは、いきなり骨盤から入らない事、です。

 

 なぜ、いきなり骨盤から入らない方がいいのか?

 

 その理由をこれからお話します。

 

 人間の身体は、それぞれの部分が個々で動いているというよりも、足先から頭までが連動して動いています。自分で気付かないレベルでも微細な連動が起きているものです。

 

 身体に不調和が起きるということは、その連動のどこかがストップしているということです。その連動のストップが特定の部分に負荷を与えて、その負荷に筋肉が耐え切れなくなった時に痛みや不快症状が出ると考えます。

 

 つまり、身体のある部分の状態は、全身という流れの中の部分であり、その部分が独立しているわけではないということです。

 

 骨盤で言うと、骨盤がゆがんでいる、または骨盤の動きが硬いという状態は、骨盤自体に問題があるというよりも、手先・足先を含めた全身連動の動きが結果的に硬い骨盤という状態を作りだしていることになります。

 

 骨盤が硬い・歪むのは骨盤のせいだけではないということです。

 

 具体的な例を挙げていきます。

 

・手指の使い方次第で骨盤は硬くなります。

 

・肩の関節が緊張しても骨盤は硬くなります。

 

・歯をくいしばっても骨盤は硬くなります。

 

・肩甲骨が緊張しても骨盤は硬くなります。

 

・足の指が退化しても骨盤は硬くなります。

 

・膝がうまく使えないと骨盤は硬くなります。

 

 これらはほんの一部ですが、硬い骨盤の裏にはそういった手先・足先を含めた身体全体の問題が隠れています。

 

 ちなみに骨盤が硬くなると、逆に手・肩・足の指・膝などはさらに硬くなります。

 

 こうなると悪循環です。

 

 もうお分かりだと思うのですが、骨盤だけをいじくるよりも、骨盤の硬さを引き起こす部分をまず改善し、それから動きやすくなった骨盤をさらに調整した方が無理なく骨盤を変えられます。

 

 身体は部分でみるのではなく、全身をみなければならない。という整体の大原則です。

 

*よくある質問「じゃあ骨盤を調整すれば手足等の問題が一気に解決されるんじゃないですか?」

 それも一理あり、また骨盤自体の調整でも手足等に良い影響を与えることも確かです。

 ですが、実は骨盤だけではないのですが、人間の歪みや不調和は頭と手から受ける影響を極めて強く、骨盤はその結果であるという考え方もあり、結論を言えばやはり手足等を含めた調整が必要です。

 これは人間という動物の進化や本能、現代に生きるという事を考える必要があり、機会があれば書きたいと思います。

 

 ここからは私が推奨している骨盤調整のやり方です。

 

 まずは骨盤に入る前に前回の記事でも紹介したように、膝の裏側・脇腹・お腹正面・お尻・腰の外側の筋肉の緊張を改善します。

 

 しかも、手先・足先を含めた全身的な動きの中で、その筋肉達の緊張を改善します。全身的な動きの中、というのがポイントです。

 

 先ほども言ったように、全身的な動きの連動のどこかがストップすることが問題ですので、その連動を回復させるには、全身的な動き(連動)を出すことが大事なのです。

 

 ここまでが、K-Raku Style推奨の腹部疎通プログラムで出来る範囲です。

 

 こうしてようやく、巷で言われている骨盤調整に入る土台が整います。

 

 その時点で骨盤は相当に動けるようになっていますが、そこから骨盤調整を行うと、かなり良い結果が出ますし、効果も持続します。

 

 ちなみにK-Raku Styleでも骨盤調整プログラムがありますので、興味があればぜひお越しください。

 

 まとめとしては、骨盤調整をしても、あまり効果が出なかった方はもしかしたら、骨盤だけをいじくっていたのかもしれません。

 

 骨盤を調整したいなら、外側から攻めた方が結果的に効率が良いということです。

 

 次回は「肩凝り」について書く予定です。