動きの統制

 森田敦史です。

 統制とか、制御とか、固定とか、そういう言葉を聞くとと多くの方が〝力む”〝硬直する”〝不自由である”というような窮屈なイメージを持ちます。

 自由の反対意味としてのイメージがあり、自由を束縛されたくないという潜在意識の作用もあるのかもしれません。

 重要な事は、その言葉が持っている本来の意味というよりも、その言葉が与える印象ではないかと思う時がよくあります。

 例えば、よくある事なのですが「●●を意識してください。」という言葉。力み体質の方は意識しようと思うと、その部分に力を入れる癖があります。意識するということは力む事でも、動く事でもないのですが、意識しようとすると力む人が多い。こういう場合、「意識」と「動かす」、つまり意識と動かすという無意識的な連動があるのかもしれません。

 そういった場合、意識という事の意味合いをお伝えするという手段もありますが、そうではなく言葉を変えると力みがなくなる場合があります。それが「●●の部分に注意を向けてみてください」という言葉です。注意というのは文字通り注意をするということです。意識と比べると、印象としては「動く」という行為と連動しないということは経験上確かです。

 わかりやすく言うと、意識は脳から対象へ、注意は対象から脳へ、というそれこそイメージです。

 イメージ・印象を細かく追究していくと思わぬ発見があります。

 伝え手のイメージと、受け取る側のイメージのかい離が起きると、正確に伝わりませんので、伝え手としては、相手が持っているイメージを推測し、確認することが大事だと考えます。

 ちなみにそういった意味で言えば、健康の人がイメージする「コントロール」と、これから健康になろうとしている人がイメージする「コントロール」は少々かい離があります。その辺をうまく埋めて、できるだけイメージしやすいようにするのが私達の仕事ですが、なかなか長い道のりです。